【おりものとは】年齢や生理周期で起こる変化と、大切な役割を知ろう


毎月おとずれる生理以外でも、どうしても下着を汚してしまうことってありますよね。

その時に、ふと「なんでおりものが出るんだろう?」と思うことはないでしょうか。

月経についてならば女性は学校で学ぶ機会があります。しかしおりものについて、詳しく知っている女性はどれだけいるでしょうか?

今回は、この女性にとって身近にあるはずなのに意外と知られていない。そんな女性の悩みになりやすい「おりもの」について、簡単に紹介したいと思います。

おりものとはいったいなに?年齢による変化を知ろう

そもそもおりものは、膣から分泌されている粘液のことです。子宮・卵管からの分泌液が、膣からの分泌されるものと一緒に通って、外に出てきます。

主に透明であったり白っぽい色をしています。ニオイとしては、少し酸っぱいような独特のものです。

女性ホルモンが働きだして、身体が大人になる初潮の準備を行い始めると、女性ならば誰でも始まるものです。

特に20代と30代の女性は、おりものの役割として分泌量が多くなります。

年齢と共に変化するおりものの量

おりものの分泌量は、女性ホルモンと密接に関係しています。思春期の初潮が始まる頃から分泌され、更年期が近づくにつれておりものの分泌量は減っていきます。

分かりやすい年齢と共に生じる変化は、下記と通りです。

10代 身体が大人になる初潮を迎えた頃に、少しずつ分泌されていく。
20代 分泌量が多くなる。
30代 20代と同じような分泌量だが、少しニオイが強くなる。
40代 更年期が近づくにつれて、分泌量が少しずつ減少していく。

このように、おりものは年齢と共に変化を重ねていきます。

この経緯からわかる通りに、女性ホルモンに強く影響を受けることから、その女性ホルモンが減少する更年期に入ればおりものが減っていくことがわかります。

おりものにも月経同様にサイクルがある

年齢と共に変化を重ねるおりものは、実は月経周期のサイクルに合わせて分泌量が増減する性質もあるのです。

それは月経同様に、女性ホルモンに強く影響される代物であるとともに、おりものが持つ重要な役割にも関係しています。

月経後 だんだん分泌量が増えてくる。
排卵期 もっと分泌量が増えて、透明で白っぽく、粘性が強いものになる。
黄体期 分泌量が減り、粘性も減る。白っぽい中に黄色が混じることがある。
月経前 再び分泌量が増え始めて、稀にニオイがするようになる。

このように、おりもののサイクルは月経と結びついています。上記のような変化は病気ではなく、規則正しく女性ホルモンが増減している証拠と言えます。

時には排卵期のおりものに血が混じることもありますが、それは病気ではなく中間期出血といって生理的な現象の一つです。

個人差が大きいため、気にし過ぎないこと

月経に対して個人差が大きいように、おりものも個人差が大きいものです。どちらも女性ホルモンの影響を強く受けるため、個人の環境や状態、ストレスに大きく作用することがあります。

他の人よりも分泌量が多いことや、ニオイが強いかもしれないことを気にする女性もいますが、あまり気にしなくても大丈夫です。

月経サイクルの様に変化していくのならば、なおのこと大丈夫。女性ホルモンがしっかりサイクルを熟している証拠です。

もちろん逆に分泌量が少ない人も、それほど気にすることはありません。特に月経がきちんと来るならば、気にするだけ無駄かもしれません。

気にしすぎてストレスを溜めてしまわないように、ある程度は開き直ってしまいましょう。

おりものが持つ大切な役割

おりものには役割があります。例え下着が汚れることになろうとも、健康を保つために大切な役割を行っているのがおりものです。

では、そのおりものが持っている役割とは何でしょうか?

【おりものの役割1】子宮や卵巣を守る自浄作用

一つ目の役割は、自浄作用です。主に子宮や卵巣を守るために効果が発揮されます。雑菌が膣から体内に入ることを防ぐというものです。

また、雑菌が膣内に入ったとしても、繁殖することを防ぐために弱酸性が保たれています。その膣内に入ってしまった雑菌や病原体をおりもの共々まとめ上げることで、老廃物と一緒に体内から外に排出してしまいます。

おりものは膣・子宮・卵巣を、常に清潔に保つために必要な清掃員でもあるのです。

その為、風呂場などで膣を洗いすぎると、せっかく膣を守っているおりものまで洗い流してしまい、自浄作用を阻害することに繋がります。洗うことは否定しませんが、集中的にごしごし洗うことは止めましょう。

また、通気性がよくないと雑菌が繁殖しやすい状態になりやすいものです。日本の夏場は特に、湿気共々に雑菌が繁殖しやすい環境が整っています。そのため、下着も締め付けすぎることなく、通気性の良い物を着用してください。

おりものの分泌量が多くて困る時には、生理用品のナプキン程ではないけれど下着の汚れを防止したい人に向けて、「おりものシート」というものが存在します。

これは文字通り、おりものを受け止めて下着を汚さなくて済むようにしている物です。おりもので汚れてしまう下着を清潔に保つことで、雑菌の繁殖も防ぎます。おりもので悩んでいる女性は、使ってみることも視野に入れてみてください。

【おりものの役割2】受精を助ける手助け

二つ目は受精の手助けです。排卵期のおりものは、子宮の下部で膣との結合部分である子宮頸管という器官で最も分泌量が増え、精子が子宮に到達できるようおりもので包み込んで、そっと卵子までの移動をサポートする役割を持ちます。

ちなみに弱酸性を保っていた膣内は、この時だけアルカリ性に変化しています。不思議な体の仕組みですよね。

おりものは一つの健康バロメーター

いかがでしたでしょうか?下着が汚れる、変な臭いがある。何かとおりものは憂鬱な気持ちになることが多い代物ですが、おりものは決して、よくわからない下着を汚す厄介ものではありません。

月経同様に女性ホルモンの影響を強く受けるため、女性の健康バロメーターとして使うことができるものです。

普段から自分のおりものを観察し、自分のいつも通りの状態を確認しておきましょう。そして、少しでもおりもので変なことがあれば、迷わず病院に行くことも手かもしれません。

例えばおりものの色が黄色くなったり、いつもより分泌量が異常なほどに増えている時は、免疫力が落ちたりして雑菌に感染している可能性があるからです。

おりものが出てくる女性器は、女性の肉体で最もデリケートな器官です。

後々の未来のためにも、少しでも異常があることを素早く察知して、迷わず病院に行く案件かどうかを判断できるようになれると一番いいでしょう。

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