国内初のPMS治療薬、プレフェミンの効果・副作用・購入法は?
生理前に起こる女性特有の症状を「月経前症候群(PMS)」といいます。生理のある人の7~8割が、生理前になるとなんらかの不快な症状を感じているのだそうです。
国内にはPMS向けの薬がなかったのですが、2014年ついにPMS専用の治療薬「プレフェミン」が登場しました。
毎月のPMSを我慢して過ごしてきた女性の新しい救世主なるか?女性の間で知名度がじわじわひろがりつつあるプレフェミンの特徴、効果、副作用、購入法をおさらいしてみましょう。
PMS専用のプレフェミン。サプリメントとの違いは?
月経前症候群(PMS)は、生理前に女性ホルモンバランスが大きく変動して、体やこころにさまざまな症状が起こる現象です。その症状は多彩で、なんと200種類もの症状が存在するのだそうです。
軽い症状で済む人もいるのですが、中には寝込むほど症状のつらい人もいます。毎月のこととなると、ちょっと大変ですよね。その場合は、病院で症状を抑える薬やホルモン剤を処方してもらうといった、前向きな治療を選択することもできます。
ただ、PMSは毎月自然におさまること、何らかの病気が原因で起こっているわけではないことから、絶対に病院で治療しておかなければならない現象でもありません。
実際に「気にはなるけど病院に行くほどでもないかな」「ホルモン治療はちょっと抵抗があるわ」と、特に何も治療をしないで過ごす女性が多くなっています。
このように多くの女性がPMSの症状を経験しているのですが、市販薬の中にPMSにズバッと効いてくれるタイプのアイテムは、存在していませんでした。
ホルモンバランスを整えるサプリメントや漢方薬はたくさん出まわっていても、PMS専用の市販薬はありそうでなかったわけですが、2014年9月にゼリア新薬から待望のPMS治療薬「プレフェミン」が発売されました。
プレフェミンってどんな薬?
▼プレフェミン
プレフェミンは、PMSを緩和する効能を持つ、国内で唯一のOTC医薬品(一般的な市販薬)です。スイスで開発され世界15か国でOTC医薬品として販売されているprefeminと同じ処方のものが国内で初めてOTC医薬品として販売されました。
▼ゼリア新薬「プレフェミン」の基本情報
販売名 | プレフェミン |
---|---|
薬効名 | 月経前症候群治療薬 |
OTC医薬品の分類 | 要指導医薬品 |
有効成分 (1錠中) |
チェストベリー乾燥エキス 40mg (チェストベリー抽出物として20㎎) |
添加物 | 無水ケイ酸、プロメロース、乳糖水和物、マクロゴール、 ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、 プロピレングリコール及び酸化チタン |
効果・効能 | PMSの症状 (乳房の張り、イライラ、怒りっぽい、気分変調、頭痛) の緩和 |
用法 | 1日1回、1錠を服用する |
価格 | 30錠 1800円(税抜) |
有効成分の「チェストベリー」ってどんな成分?
プレフェミンの有効成分は「チェストベリー乾燥エキス」のみ。とてもシンプルな処方の医薬品です。
チェストベリーは、日本ではまだなじみの少ない成分なのですが、ヨーロッパでは欧州薬局方の公定書に収集されたり「コミッションEモノグラフ(ドイツ)」「欧州医薬品庁モノグラフ」に有効性・安全性が認められたりするなど、メジャーな医薬品になっています。
▼チェストベリー
原産地は地中海から中央アジアで、「チェストツリー」「イタリアニンジンボク」「アグニ」とも呼ばれます。
古くから婦人科系の症状を改善するとして民間療法に使われてきたほか、現代ではさまざまな研究によって、PMSの症状を緩和する効能をもつことがわかってきています。
プレフェミンはハーブサプリメントなの?
プレフェミンは有効成分がハーブだけで作られているので、サプリメント(=健康食品)のような印象を受けるかもしれませんが、サプリメントではなく医薬品に分類されています。
健康食品と医薬品の違いは、健康食品は臨床試験で健康効果が認められていないのに対し、医薬品は臨床試験で健康効果が認められ、はっきりした効能が期待できるところ。品質や効能が一定の条件を満たしている製品が、医薬品として認められます。
今までにチェストベリーを使ったサプリメントは、国内でもすでに販売されていましたが、OTC医薬品は存在していなかったので、プレフェミンが国内初のチェストベリーを使った医薬品としてデビューする形になりました。
プレフェミンは、サプリメントとは違って医薬品ならではの効能がはっきり期待できるアイテムといえるでしょう。
「要指導医薬品」ってどういう意味?
プレフェミンのパッケージには「要指導医薬品」と表記があります。これはどのような薬ということなのでしょうか。
まず、薬局で販売されている一般的な市販薬のことを「OTC医薬品」といいます。いわゆる、処方せん不要で購入できる薬です。
さらに、OTC医薬品は、消費者が自己責任で自由に選んで購入できる医薬品と、専門家の情報提供が必要な「要指導医薬品」に分けられ、プレフェミンは要指導医薬品に分類されています。
要指導医薬品というのは、原則として「薬局やドラッグストアで対面販売すること」「薬剤師が書面にもとづいて医薬品の説明をおこなうこと」が義務付けられている医薬品です。
そのため、インターネットや薬剤師のいないお店で購入することはできなくなっています。この仕組みには「サプリメントや通常のおくすりと比べると、気軽に買いにくい」と抵抗を感じる人が多くなっているようですね。
ただ、消費者がよく知らずに使用すると副作用や相互作用(薬の飲み合わせ)によるトラブルが起こりやすいために定められた重要な規則、ということも理解しておきたいです。
プレフェミンを含め要指導医薬品は、それだけ体に作用する力が大きい、裏返せば薬効が期待できるということなんですね。
リスクを把握したうえで使いたいプレフェミン
プレフェミンは「ダイレクトOTC医薬品」とも呼ばれています。これは、国内で医療用の医薬品に使われた実績のない成分を直接(ダイレクトに)市販薬に適用している医薬品もことです。
ちなみに、ほかのダイレクトOTC医薬品には、むくみ改善薬の「アンチスタックス」や脱毛改善薬の「リアップ」があります。いずれも薬剤師の情報提供が義務付けられている薬です。
チェストベリーは欧州では高く評価されている成分ですが、国内では実績がないため取り扱いはまだ慎重です。
特に女性ホルモンにはたらきかけるデリケートな薬ということもあるので、安全に使用するためにも薬剤師の情報提供を受けて、リスクはしっかり把握しておきたいです。
プレフェミンの効果と副作用・使用上の注意
気になるのはプレフェミンの効果、副作用が起こる可能性です。プレフェミンの特徴をチェックしてみましょう。
プレフェミンを服用するメリットは?
プレフェミンには次に挙げるメリットがあります。
- 1日1回1錠で簡単にPMS対策ができる
- 処方せん不要で薬局から購入できる
- 続けやすい価格
なんといっても魅力的なのは、プレフェミンを服用することで、PMSに伴う複数の症状をひとまとめに改善する効果が期待できるところです。
従来のPMSの治療法といえば、ホルモン治療(低用量ピルの服用)を受けるか、各症状に対応した薬を服用する方法が一般的でした。
ホルモン治療は効果が高いので、PMSが重症の人にはおすすめされますが、薬の作用が強いので、PMSが軽症~中等度にはそれほど必要な治療ではありません。
手っ取り早いのはPMSの症状をそのつど薬で抑える方法です。例えば頭痛には鎮痛薬、情緒不安定には精神安定剤、ニキビにはビタミン剤…などが対応しています。
ただし、症状に合わせて薬を使い分けたり組み合わせたりしなければならないので、さまざまな症状が押し寄せることの多いPMSには対応しきれない場合があります。
一方、PMS治療薬のプレフェミンなら、受診したり症状に合った薬を選び分けたりする必要なく、毎日1回1錠飲むだけで簡単にPMSを改善していくことができます。
また薬にかかる費用も最大で1か月あたり1,800円と、ほかの治療と比べても続けやすい価格になっていてお財布にもやさしいです。
プレミフェンの効果・口コミは?
やはり、おくすりでいちばん気になるのは効き目なのですが、プレフェミンは、実際に臨床試験によってPMSのさまざまな症状を改善することが確認されています。
- 不眠 90.7%
- 怒り 90.2%
- 頭痛 90.0%
- 疲労倦怠感 88.5%
- 抑うつ気分 84.6%
- 眠気 83.4%
- イライラ感 83.0%
- 肌荒れ 82.1%
- 乳房の張り 78.2%
- 腹部膨満感 74.0%
(参照…プレミフェン「プレミフェンの効果」)
また、服用機関が生理1周期では約64%の人、生理3周期分では約90%の女性が効果を体感しているとのことで、生理3周期目まで服用した場合、ほとんどの女性がPMSを改善できることがわかります。
プレフェミンを服用している人からは、こんな口コミも聞かれます。
効き方には個人差もあるようですが、情緒不安定や胸の張りなど、ほかの市販薬やサプリメントでなかなか改善しにくい症状なので、毎月これらの症状に悩んでいる人は試す価値がありそうですね。
プレフェミンの副作用は?
プレフェミンはハーブで作られているので体にやさしそうですが、副作用の起こる心配はないのでしょうか?
医薬品であるプレフェミンは、臨床試験に基づいて安全性の高いことが確認されているので、基本的には副作用の心配は少ない薬とされています。
ただし、プレミフェンの添付文書には次のような注意書きも記載されているので、副作用には注意が必要です。
服用後に、皮膚に発疹、発赤またはかゆみが出た場合、あるいは生理周期の異常や経血量の変化等があらわれた場合は、副作用の可能性があります。
服用を開始した際、まれに月経前よりも諸症状がより強くあらわれる場合があります。
人によっては、プレミフェンを服用し始めてから生理周期が変わったり不正出血が起こったりすることもあるようです。
チェストベリーは女性ホルモンに直接はたらきかける成分なので、体質やホルモンバランスによっては、添付文書にあるようにまず生理周期に変化が起こりやすくなっています。
ただ、どの医薬品も副作用のリスクはゼロではないので、プロフェミンが特に副作用の起こりやすい製品というわけではありません。
安全に使用することができるよう、使用上の注意は必ず守って服用し、気になる症状がみられたら服薬を中止して薬剤師や医師に相談することをおすすめします。
使用上の注意
どの医薬品も適切な方法で使用しなければ、効果が発揮されなかったり副作用が起こりやすくなったりしてしまいます。安全にPMSを改善していくためにも、使用上の注意はきちんと目を通してきちんと守るようにしたいですね。
- 1日1回、毎日忘れないように服用してください。
- 服用を忘れた場合に、後からまとめて服用しないでください。
- 誤って多く服用し、以上のある場合は医師または薬剤師に相談してください。
- 月経の異常、皮膚の発疹・発赤・かゆみなどが出た場合は、すぐ服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
- 1か月間継続して服用しても症状が改善されない場合は、PMS以外の原因も考えられるので、医師または薬剤師に相談してください。
- 3か月を超えて継続して服用する場合は、定期的に医師に相談しましょう。
- 妊娠している人、妊娠の可能性のある人は服用できません。
プレミフェンは1日1回1錠ずつ毎日飲み続け、約1か月間で症状が改善されるようになる薬です。
効果を急いでまとめ飲みしたり、自己判断で飲むのをやめたりするのではなく、使用量や飲みタイミングをきちんと守ることが大切です。
プレフェミンの購入には薬剤師をとおしたステップが必要
プレフェミンは、薬剤師のいる全国の薬局・ドラッグストアに行って購入することができます。
ドラッグストアは、薬剤師のいるお店といないお店があるので、注意してください。規模の大きなドラッグストアを選ぶか、またはプレフェミンの公式サイトで案内しているプレフェミン取扱店舗の情報をチェックしてみると確実です。
また、せっかくお店に足を運んでも、その時間帯にたまたま薬剤師がいなかったら販売してもらえません。
遠方から来店した場合だとこれはちょっとショックですから、来店前にお店に電話をして薬剤師がいる時間帯を確認するひと手間をくわえると、スムーズに購入することもできますね。
お店では、規則によってプレフェミンの空箱だけが商品棚に陳列されているか、商品が鍵付きのガラスケースに収納されていて、通常のOTC医薬品のように商品を手に取ってレジに持ってくことができなくなっています。
まずは、お店の人に声をかけてプレフェミンの購入を希望していることを伝えてください。
続いて、このような手順で薬剤師から情報提供を受けてプレフェミンを購入します。
①チェックシートに基づいて症状を確認
購入前チェックシートを見ながら、薬剤師とPMSの状態を確認していきます。
プレフェミンの購入前チェックシート(初めて購入する人用)は、このような内容になっていて、「はい」「いいえ」で項目に答えていくだけなので、チェックは簡単で時間もかかりません。
1 | 身体的・精神的に不快な症状が 「乳房のはり」「頭痛」「イライラ」 「怒りっぽい」 「気分変調」の中に 1つ以上ありますか? |
はい いいえ |
---|---|---|
2 | 1の症状は、月経前に始まって 月経が開始するとなくなりますか? |
はい いいえ |
3 | うつ病と診断を受けたことがありますか? | はい いいえ |
4 | 月経周期に関連なく、 乳房に「はり」や「しこり」がありますか? |
はい いいえ |
5 | 月経不順ですか? | はい いいえ |
6 | 身体的・精神的な症状が重いために 著しい支障が日常生活に生じていますか? |
はい いいえ |
7 | 授乳中ですか? | はい いいえ |
8 | 本剤またはチェストベリーによる アレルギー症状を起こしたことがありますか? |
はい いいえ |
9 | 医師の治療を受けていますか? | はい いいえ |
10 | 薬などによるアレルギー症状を 起こしたことがありますか? |
はい いいえ |
11 | 漢方製剤を服用していますか? | はい いいえ |
(参照…プレフェミン「購入前チェックシート(初めての方用)」)
項目はすべて必ず答え、1と2が「はい」、3~11がすべて「いいえ」にならなかった場合は、薬剤師に相談します。
プレフェミンの購入前チェックシートは店頭に用意されているほか、プレフェミンの公式サイトからプリントアウトして持参することもできます。
②プレフェミンを購入
PMSと判断できれば、プレフェミンを購入することができます。
ただし、PMS以外の原因が考えられる場合は、医療機関の受診がすすめられます。また、チェストベリーによるアレルギー症状を起こした人と授乳中の人はプレフェミンを購入することができません。
ほかの薬を飲んでいる場合も、薬剤師と相談する必要が出てきます。すでにPMS対策で婦人科系の漢方薬や「命の母A」などを服用している場合もチェストベリーとの併用はすすめられない場合があるので、薬剤師に申し出て相談をします。
③リーフレット・購入カードを確認する
続いて、お客様用リーフレットを渡してもらい、薬剤師と確認します。
リーフレットには、切り取って使う「購入カード」とプレフェミンの特徴、注意事項が掲載されています。わからない点がある場合は、その場で薬剤師に確認をしておくと安心です。おうちに帰ってからも熟読しておきましょう。
初回の購入は、これで完了です。
④2回目以降の購入では
>購入カードに購入履歴を記録して薬局に行きます。
2回目以降の購入時にもチェックリストによる確認がありますが、質問の内容は初めての時と少し異なっています。(副作用がみられなかったか、など)
…レジに持っていくだけですぐ帰る薬に比べると、義務付けられている手順が多いですね。
う~ん、時間がかかりそう。薬剤師と対面している間、重ぐるしい雰囲気似なるのはイヤだな。売るまでに厳しく審査されるのかな?…などなど、色々な不安が頭に浮かびそうです。
ですが、実際の手続きは案外淡々としていて、所要時間は5分以内とそれほど時間もとりません。よっぽど問題がなければ薬もすぐ販売してもらえるので、お気軽に薬局へ足を運んでみてくださいね。
ハーブの力で生理前もスッキリ!薬局で気軽にご相談を
プレミフェンを利用した人からは「通常のおくすりやサプリメントより購入しにくい」「毎日忘れずに服用するのが大変」といった声も聞かれますが、今までずっと我慢してきたPMS特有の症状が軽くなって喜ばれることも多くなっています。
「購入しにくいので続けられない」という方はチェストベリーのサプリメントが向いているかもしれませんが、従来のサプリメントや漢方薬でスッキリしなかった方にはプレフェミンがおすすめ。ぜひお気軽に薬剤師へ相談してみてください。