生理前に太る4つの原因と、お肉をつけないための具体的な対策
女性は生理周期にあわせて太りやすい時期とやせやすい時期が訪れます。
生理が終わった後はやせやすいのでダイエットが成功しやすく、生理前の約2週間は太りやすくなっているので、ダイエットをしてもうまくいきません。
なぜ生理前は太りやすくなるのでしょう。その理由と生理前に太るのを予防する対策についてまとめました。
生理前に太る原因は黄体ホルモンの影響
排卵後から生理開始までの約2週間は、ホルモンバランスの影響で太りやすくなります。生理前に次のような悩みの出てくる人も多いのではないでしょうか。
- この数日間で体重が急に増えた
- パンツやベルトがきつく感じる
- 朝起きた時に顔がむくんで顔が大きく見える
- この時期はダイエットをしてもなかなか痩せない
生理前に太りやすくなるのは、排卵後から生理前にかけて分泌が高まる「黄体ホルモン」の影響で、以下のように太りやすい体調に変化してしまうためです。
- 生理前に太りやすくなる理由
- 食欲が増加する
- からだがむくむ
- 運動不足になりやすい
- 便秘になりやすい
なぜホルモンの影響でこのような変化が起こるのでしょうか。もう少し詳しく理由を説明していきたいと思います。
食欲が増加する
黄体ホルモンには食欲を亢進させる作用があるため、黄体ホルモンの分泌が高まる生理前は、つい食べ過ぎて太りやすくなります。
黄体ホルモンは妊娠を助ける役割があり、妊娠に必要な栄養をたくわえようと食欲を亢進させるのです。
さらに、黄体ホルモンには血糖値をコントロールするホルモン「インスリン」の分泌を抑制する作用があり、生理前は血糖値が上がったり下がったりして体が糖を欲するため、むしょうに甘いものが食べたくなって太りやすくなります。
なかには食べ物の好みも変わり、こってりした味の濃い物、脂っぽいものが食べたくなる人もいます。
この時期は我慢できずに食欲に走ってしまいやすく、食べ過ぎた後に後悔する女性も多いのですが、この旺盛な食欲も生理が来るとホルモンの変動に伴って自然とおさまるので、特に異常というわけではありません。
ただし健康を害するほどの食べ過ぎは良くありませんよね。肥満やニキビの原因にもつながるので、食欲を上手にコントロールすることも必要です。
※生理前の食欲について詳しくは生理前の食欲が止まらない!暴走をおさえる6つの方法で説明しています。
からだがむくむ
生理前はむくみが起こりやすく、普段よりも顔や手が腫れぼったくなったり、靴がきつくなったりします。むくみは、月経前症候群(PMS)の代表的な症状で、多くの女性が生理前に経験します。
むくみとは、体内の水分の排出がとどこおり、細胞と細胞の間に余分な水分がたまってはれぼったく見える現象のことです。
塩分の摂り過ぎでナトリウムを薄めるために体内の水分が増えたり、重力の関係で水分が下半身にとどこおり、夕方になると脚がむくんだりするのは、誰にでも起こる現象です。
さらに女性は、生理前に黄体ホルモンが水分を体にため込もうとするために体がむくみ、水分が増えた分だけ一時的に体重も重くなってしまいます。
生理前には体内の水分が2リットル近く増えることもあるため、人によっては生理前というだけで体重が2kg近くも増えてしまうのです。
ただし生理が来ると、黄体ホルモンの分泌量が少なくなるので、むくみは起こりにくくなります。また、生理が終わって卵胞ホルモンの分泌が高まると、からだの血行が促進されて水分が排出されやすくなり、この時期には体がスッキリと引き締まります。
運動不足になりやすい
生理前は、暴飲暴食でカロリーの摂取量が増えやすくなるうえ、普段よりも動くのがおっくうになりやすいので、運動不足から太りやすくなる人もいます。
女性の8割が生理前にはなんらかの不調を感じるといわれますが、その症状のひとつに「倦怠感」や「からだの重い感じ」があります。
そのため、ほかの時期と比べると活動量が減ってエネルギーの消費量が少なくなるため、自然と太りやすくなってしまいます。
便秘になりやすい
もともと女性は男性よりも便秘になりやすいうえ、生理前は黄体ホルモンの影響で便秘が悪化することが多くなります。そして頑固な便秘は、ポッコリした下腹や体重増加の原因にもつながってしまいます。
女性が便秘になりやすいのは、腹筋が弱く腸のぜん動(便を押し出す動き)が鈍くなったり、トイレを我慢して排便のタイミングを外しやすいことが原因です。
さらに生理前は、黄体ホルモンが体に水分をためこもうとして、便の水分が腸から吸収されるため、便が硬くなって便秘が起こりやすくなります。
生理が来るとお通じが来たり生理に軟便を伴ったりして、自然に便秘が治る人も多いようです。
自然に治るといっても、お通じが何日もないときは腸内に便やガスがたまるのは、やはり不快です。お腹の膨満感がPMSの吐き気やイライラを強くしてしまうので、生理前は便秘を放置せずきちんと便秘対策をおこなうことをおすすめします。
生理前でも太るのはイヤ!生理前はこの対策で太るのを防ごう
生理前の体重増加は一時的な現象で生理が来れば自然と元に戻るので、太っても1~3kgの体重増加なら許容範囲だといわれます。
とはいえ、女性の心理としては体重計に乗った時に少しでも体重が増えているのは、やはりショックです。ある程度の変化は許容しながらも、なるべく太らないよう対策を心がけて過ごすと良いでしょう。
まずは毎日同じ時間帯に体重計に乗って、生理前の体重の変化をきちんと把握されることをおすすめします。
体重は飲食や排泄のタイミングで常に変動しています。飲食後、トイレに行く前は一時的に体重が増えますが正確な数値ではありません。
このようなときに体重計に乗ると「太った」とショックを受けてストレスを増やしてしまうので、1日に何度も体重計に乗って一喜一憂するのはやめましょう。できれば起床後の食事前に統一されることをおすすめします。
生理前に太るのを予防するために適度な運動をおこなう
生理前に太るのを予防するならば、ダイエットと同じで食事から摂取したエネルギーを消費していくことがもっとも近道の対策となります。
生理前は体を動かすのがおっくうになりがちでダラダラ、ゴロゴロしたくなるかもしれませんが、太るのが困るならば意識して適度な運動をおこないましょう。
太りやすいからといって激しく運動をする必要はありません。むしろハードな運動はホルモンのバランスが乱れPMSの症状が出やすくなるので、あまりおすすめできません。
効率良くエネルギーが消費できるのは、ゆるやかな有酸素運送。1日30分くらいのウォーキング、ジョギング、サイクリングなどをおすすめします。
運動する時間が作れなくても、歩く時に速足できびきび歩く、エレベーターを使わず階段を使う、といった工夫をしてエネルギーを消費することも可能です。
食欲をコントロールするためにできる具体的な行動
生理前に食欲が増加するのは女性のからだに必要な現象なので、ある程度は許容しましょう。
そのうえで、なるべく規則正しい食生活を心がけ、肥満の原因につながる油や糖分の多いものを控えた食事を心がけます。
食欲を抑えるためには次の対策が効果的です。
- 水を飲んでおなかいっぱいにする
- よく噛んで食べる
- 食欲の暴走につながる「血糖値の急上昇」を抑える
※生理前の食欲を抑える方法については生理前の食欲が止まらない!暴走をおさえる6つの方法で説明しています。
便秘は太るもと!便秘対策をしっかりしよう
便秘になりやすい生理前は、便秘対策をおこなってお腹をスッキリさせましょう。
便を柔らかく排便しやすくするため、食物繊維と水分をしっかりとることが大切です。
食物繊維は、野菜、海藻類、果物などに多く含まれています。特に食物繊維が豊富な
- おから
- 大豆
- 小豆
- ごぼう
- ひじき
- さつまいも
- アボカド
などを積極的に食べるのがおすすめです。
あわせて腸のぜん動を促進させる乳酸菌もとりましょう。ヨーグルトのほか、キムチ、ぬか漬け、味噌などにも乳酸菌が含まれます。
また乳酸菌は食物繊維やオリゴ糖(はちみつ、バナナ、大豆などに含まれる)と一緒に摂取するのがおすすめです。食物繊維やオリゴ糖が腸内の善玉菌を増やしてくれます。
運動不足も便秘の原因のひとつです。腹筋運動やウォーキングで腸のぜん動を促進させましょう。
食生活でむくみを予防する
生理前に起こるむくみは一時的なもので自然に解消されやすいものですが、指輪や靴がきつくなるようなむくみ方は困るので、むくみやすい場合は食生活でむくみを予防していきましょう。
水分を取り込むナトリウムの摂取を控え、余分なナトリウムを排出するカリウムを摂取すると、体内の余分なナトリウムと水分が尿と一緒に排出され、むくみを予防することができます。
生理前は塩分の多い食べ物を控え、カリウムを多く含む野菜・大豆・いも類を積極的に食べましょう。カリウムは特にほうれんそう、納豆、アボカド・里芋に多く含まれています。
食事の前に豆乳を飲む「豆乳ダイエット」が女性の間で話題になっていますが、豆乳はカリウムやホルモンバランスを整えるビタミンB6が摂取でき、PMSのむくみの解消におすすめです。
またアルコールも水分を体内にため込みやすいので、むくみやすい生理前の飲酒はなるべく控えましょう。
毎月、生理前にむくみがひどくなる人は、食生活にむくみの原因があるかもしれません。上記の対策を参考に食生活を改善してみてください。
生理前のダイエットは少しお休みを…リラックスも必要
生理前に太るのは仕方ないとはいえ、太るのはやはりショックなので、増えた分はすぐダイエットをして減らしたいと思う人もいるかもしれません。
ただし「ためこむ時期」の生理前はやせにくくなっているので、ダイエットをしても成果が出ず、ダイエットのプログラムがハードになるほどからだの負担もストレスも強くなるだけなので、本格的なダイエットはおすすめできません。
ダイエットをしたい人は生理前と生理中にダイエットを少しお休みし、生理が終わった後の痩せやすい「卵胞期」にダイエットを頑張って巻き返しをはかりましょう。
生理前に太るのはあなただけではなく多くの女性も同じなので、ホルモンバランスを整えるためにも、この時期はあまり自分を追い込まず、リラックスして過ごすこともおすすめします。