生理前の食欲が止まらない!暴走をおさえる6つの方法

「生理前になると食欲がとまらない」
「生理前・生理中はイライラしてむしょうに甘いものが食べたくなる」
「なぜかこってりした物が食べたい」

ダイエット中なのに…ニキビが気になるのに…食欲が暴走してしまう!こんな悩みと毎月格闘している女性はけっこう多いみたいですよ。

食欲の増加は女性ホルモンの影響で起こっているので、無理に食欲を抑えることはできません。とはいえ、食べ過ぎは体のために良くありませんよね。

どのようにすれば生理前・生理中の食欲を抑えることができるのでしょう。食欲が増加する理由、食欲を抑える方法をまとめました。

食欲旺盛になることは病気じゃないけど、肥満やニキビの原因になっちゃう

生理前は女性ホルモンのひとつ「黄体ホルモン」の影響で、食欲が増加したり食べ物の好みが変わったりします。

そして生理が始まると黄体ホルモンの分泌量が減って、食欲は通常通りに戻ります。生理中は食欲不振を伴う人もいますが、生理中はかえって食欲が亢進するという人もいるようです。

このように生理前・生理中に食欲が増加するのは、ある程度自然な現象です。そのため、無理に食べるのを我慢したり、たくさん食べてしまった後に自己嫌悪に陥ったりする必要はありません。

1ヵ月のうちの生理前・生理中だけなら、少々食べ過ぎても体重や健康に大きな影響を及ぼすことはありません。生理前や生理中はからだに負担がかかりやすい時期なので、からだが欲する栄養はしっかりとることも大切でしょう。

とはいえ、食べ過ぎ飲み過ぎは胃腸に負担をかけてしまうし、肥満やニキビ、糖分のとり過ぎによる高血糖などの原因につながるので、毎月のように食欲が暴走するのは問題ですよね。

この時期に必要なことは「食欲が増加するのはホルモンのせいだから仕方ない」と欲求のままに食べるのではなく、ホルモンの影響で起こる食欲の変化を受け止めながら、なるべく健康的な食生活を保つ心がけです。

生理前・生理中に食欲がとまらなくなるのはなぜ?

まずは、なぜ生理前や生理中に食欲が増加してしまうのか、理由から説明いたしましょう。

からだが妊娠に必要な栄養を求める

排卵後から約2週間にかけて黄体ホルモンの分泌量が増えるため、自然と食欲が増加します。

排卵後に食欲が増加するのは、妊娠が成立した時にそなえて、からだが妊娠に必要な栄養を身体にたくわえようとするためです。妊娠した場合には、妊娠を維持するための栄養、赤ちゃんに送り込むための栄養が必要になります。

生理前には、食べ物の好みが変わり、油分の多いこってりした食事やカロリーの高いものが食べたくなる人もいます。

これには色々な理由がありますが、お母さんのからだに体脂肪を増やしてお腹の赤ちゃんを保護するため、妊娠を維持するためエネルギーがたくさん必要になるため、からだがエネルギー源を欲するために起こる現象のようです。

血糖値の乱高下で甘いものが欲しくなる

生理前になると「特に甘いものが欲しくなる」という人も多いです。これも女性ホルモンが関係しています。

一般に甘いものが欲しくなるのは、血糖値が一定値よりも低くなったときです。糖は大切なエネルギー源なので、脳が「血液中の糖が不足しているから食事をして糖を補給してください!」と糖を要求して、甘いものをからだに取り込もうとします。

運動した後、食事から3時間以上経過したときなど、前の食事で補給した糖をエネルギーに使ってしまったときには、お腹がすいたり甘いものが欲しくなったりしますが、これは自然な現象なので、問題ありません。

ただ、生理前は、特に体を動かしたわけでもないのにからだが甘いものを欲したり、食後すぐに甘いものがむしょうに食べたくなったり、と、甘みを強く求めるようになります。

これは、妊娠に必要なエネルギーをたくわえようとする黄体ホルモンの働きも関係しています。もうひとつ、黄体ホルモンの影響で血糖値の乱高下(上がり下がりが激しくなること)が起こりやすくなることも、甘いものが欲しくなる理由になっています。

【生理前に甘いものが欲しくなるメカニズム】

糖質(甘いもの、ご飯、パンなど)をたくさん食べて血糖値が上がり過ぎたときには、膵臓から血糖値を下げるホルモン「インスリン」が分泌され、血糖値の上がり過ぎを防ぎます。

黄体ホルモンにはインスリンの分泌を抑制するはたらきがあるため、生理前はいつもよりも血糖値が高めになりがちです。また生理前はイライラやストレスを感じやすくなる時期ですが、ストレスも過剰になると血糖値を上昇させてしまうことがあります。

からだには血糖値を一定に保つはたらきがあるため、血糖値が上昇すると膵臓はすぐにインスリンを分泌させなければなりません。

急に血糖値が上昇するとインスリンが大量に分泌されるので、血糖値は大きく低下しやすく、逆に血糖値が低くなりすぎてしまうことがあります。すると、脳はふたたび糖を強く求めるようになります。

生理前など、黄体ホルモンの分泌量がピークを迎えるときは、その影響で血糖値の上がり下がりが起こりやすくなり、血糖値が大きく低下したとき、むしょうに甘いものが欲しくなるのです。

まとめると、黄体ホルモンの影響で次の1~3を繰り返す悪循環に陥りやすいということになります。

  1. からだが求めるままに甘いものをたくさんとると血糖値が急激に上がる
  2. そのときに分泌されたインスリンのはたらきによって血糖値が急激に下がる
  3. 血糖値が低くなるので、また甘いものがほしくなる

甘いものを食べたあとにこの繰り返しが起こりやすくなります。生理前に甘いものをドカ食い・ヤケ食いするのはまさに危険ですね。

また、血糖値が低下したときには情緒が不安定になるため、イライラしたり怒りっぽくなったりしますが、このときに糖をとると血糖値が上昇するので情緒はふたたび安定します。

経験上からこの仕組みを知っている人は「イライラしたときに甘いものを食べるとスッキリする」という法則が頭の中にできあがり、砂糖には依存性があることからも、ストレスを甘いもので癒そうとする悪循環に陥りやすくなることが多いです。

セロトニン不足を解消するためからだが食べようとする

生理前と生理中は、情緒を安定させる神経伝達物質「セロトニン」が不足しやすく、セロトニンを増やそうとして脳が糖質を求める場合があります。

卵胞ホルモンは、女性の情緒を安定させる役割があります。生理が始まると気持ちがふさぎこみやすいのは、卵胞ホルモンの分泌量が最も少ない時期に入るためです。

また黄体期も、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌が大きく変動するため、卵胞ホルモンの働きが不安定になってセロトニンが不足し、月経前困難症(PMS)特有の情緒不安定な症状を引き起こしやすくなります。

セロトニンの材料は、肉や乳製品などに含まれるアミノ酸の一種「トリプトファン」が必要ですが、トリプトファンが脳にたどり着くためには糖質(ブドウ糖)も必要です。

脳にセロトニンが不足しているときは、ブドウ糖を増やして少しでもトリプトファンを効率良く脳にとりこもうとするため、甘い物、ご飯、パン、麺類などがやたらと食べたくなるとされています。

また、生理前、生理中は肉や糖質、チョコレートがむしょうに食べたくなる女性も多いようです。

これは、トリプトファンが肉に、ブドウ糖が甘いものやご飯などに多く含まれ、チョコレートにはブドウ糖、セロトニンの取り込みに必要なマグネシウムが含まれることが関係しているともいわれています。

ホルモンの影響に負けない!生理前・生理中の食欲を抑える方法

毎月、生理前や生理中の食欲が止まらなくなって困っている人は、食欲をコントロールする工夫を食生活に取り入れ、肥満やニキビの原因になる食べ過ぎを防ぎましょう。

1.水分でお腹いっぱいにする

何か食べたくなったとき、食事のときに食べ過ぎを防ぎたいときには、まず水分をしっかりとって、ある程度お腹をいっぱいにします。コップ1~2杯の水を飲むと良いでしょう。

食欲は空腹のときに起こる欲求なので、食欲を感じなくするには、単純におなかをいっぱいにすれば良いのです。

このとき、飲み物は水か麦茶のようなノンカロリーノンカフェインのものにします。生理中は、お腹を冷やさないよう冷たい飲み物は控えましょう。

血糖値の上昇を防ぐため、飲み物ももちろん無糖のものを選びます。カフェインは交感神経を刺激してホルモンバランスを乱すことがあるので、生理前・生理中はなるべく避けるのがおすすめです。

飲み物を多めに飲んだ後は一時的に体重が増えるのが気になるかもしれませんが、水分は尿や汗として排泄されていくので肥満の原因にはなることはありません。

食べる前に水分で胃を満たすことは、ダイエットや血糖値対策の鉄板でもあるので、生理前・生理中以外でも試してみてください。

2.最初に野菜から食べ始める

食事をするときは、野菜から食べ始めるのがおすすめです。野菜に含まれる食物繊維が糖の吸収をおだやかにして、血糖値の急上昇を抑えます。

食事をするときは、野菜や汁物、飲み物を先に胃に入れてから、肉や魚を食べます。

血糖値が上昇しやすいご飯、麺類、パン、いも類などはその後に食べると、血糖値が上がりにくく下がりにくくなるので、満腹感も得られやすく、食後もお腹がすきにくくなります。

食物繊維が豊富な食品には海藻、きのこ、根菜類があります。サラダ、前菜、汁物にはこれらの食品を取り入れて食物繊維をしっかりとりましょう。

3.満腹中枢を刺激する!よく噛んで食べる

食事はよく噛んで食べましょう。あまり噛まずに飲み込むと、たくさん食べてもお腹がいっぱいになりにくいので食べ過ぎの原因につながってしまいます。

「よく噛む」という行為には、満腹中枢を刺激して「おなかがいっぱいになった」と感じさせる作用があるのです。

そのため時間をかけてよく噛んで食べると、少量の食事でも満腹感が得られて食欲が満たされやすくなります。

食間に口がさびしくなったり小腹がすいた時には、お菓子ではなくガムを噛むのがおすすめです。噛む行為で食欲が抑えられます。するめや酢昆布など噛むのに時間がかかるおやつもいいですね。

4.砂糖はなるべくとらない

この時期に甘いものが欲しくなるのは自然現象なので、適度に甘いものをとって満足感を得ましょう。無理に甘いものを我慢すると、血糖値の下がり過ぎやストレスから、甘いもののドカ食いに走りやすくなるので注意してください。

甘いものは、選びかたに気を配るのがポイントです。血糖値を急上昇させる砂糖はなるべくとらないようにしましょう。

市販のお菓子やスイーツには砂糖がたくさん使われているので、フルーツや手作りのおやつを食べるのがおすすめです。クッキングやコーヒーなどに使う甘味料は、砂糖よりも血糖値が上昇しにくいはちみつ、エリスリトール(羅漢果など)が安心です。

おすすめのおやつは、はちみつをかけたプレーンヨーグルトやドライフルーツです。ヨーグルトはカルシウムや乳酸菌、ドライフルーツにはミネラルや食物繊維が含まれ、美容や健康にも良いので女性のおやつには理想的です。

好きなだけ食べても良いというわけではなく、食べ過ぎると砂糖と同じように血糖値の上昇や肥満を招くので、食べ過ぎには注意してください。

「糖類ゼロ」をうたう清涼飲料水やスイーツは、血糖値を上昇させない人工甘味料が使われています。人工甘味料はノンカロリーで太らないので、糖類ゼロの商品を適度に利用するのもひとつの手です。

ただ、人工甘味料は強い甘みに慣れてしまう点や安全性がはっきりしていない点が問題視されています。ダイエッターにはうれしい食品ですが、糖類ゼロの商品に依存することはおすすめできません。

5.小腹がすいたら何か口にする

ドカ食いを防ぐには、こまめに少量ずつ食べるのがおすすめです。食事の回数が増えるのは食べ過ぎにつながるように見えるかもしれませんが、空腹時の血糖値の下がり過ぎを防ぐので、かえって食欲を抑える効果が期待できます。

もちろん、甘いものやカロリーの高いものの食べ過ぎは良くないので、なるべく甘くないもの、低カロリーのもの、噛みごたえのあるものを、少量ずつよく噛んで食べるのがおすすめです。

  • おにぎり
  • せんべい
  • チーズ・ヨーグルト
  • ナッツ
  • ドライフルーツ
  • フルーツ(バナナ・りんごなど)
  • ガム・するめ・酢昆布など

一緒に水、お茶などをしっかり飲んでお腹を満たしましょう。

6.セロトニンを増やす

生理前・生理中に不足しがちなセロトニンは、自分で意識して分泌を促進させることもできます。

セロトニンを増やす方法
  • 朝寝坊や夜更かしを避ける
  • 日光を浴びる
  • 単調なリズム運動を15分以上繰り返す
  • トリプトファンをしっかり摂取する
  • 極端な糖質制限をしない

セロトニンは太陽光を見ることで生成されるホルモンなので、日中に少なくとも15分以上は屋外で太陽光を浴びるようにします。(曇りでも大丈夫です。)

また単調なリズムの運動を繰り返して行うことでも分泌が促進されるので、ウォーキング、ジョギング、サイクリングを15分以上行うのがおすすめです。屋内では踏み台の昇り降り、その場で足踏みなどでも同じ効果が得られます。

セロトニンの材料は、肉、魚、乳製品、バナナなどに含まれるトリプトファンが必要です。セロトニンの生成には糖質の助けがいるので、極端な糖質制限は避けましょう。

ダイエットもお休み!ゆったりと食生活をコントロールしましょう

生理前・生理中はダイエットには適していない時期なのでダイエットも一時お休みすることをおすすめします。

生理前・生理中の食べ過ぎは、甘えや意志の弱さなどとは関係がありません。ホルモンの影響で起こる自然現象で、あなたのせいではないので、食べ過ぎてしまっても落ち込まなくて大丈夫です。

かえってストレスが増えると過食に走りやすくなるので、許容することも必要です。たとえば、生理前・生理中は1ヵ月のうちで「自分にごほうびをあげる期間」と考え、ゆったりと食生活をコントロールしてはいかがでしょう。

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