生理痛を治療するための医療機関の選び方、治療を受ける際の注意点

生理痛は、仕方が無いものだと思っていませんか?しかし、生理痛の中でも病気の原因であるものや、医療機関を受診すると症状が改善する生理痛もあります。

そこで今回は、生理痛を医療機関で診てもらう詳しい流れや、治療法をご紹介してきます。

生理痛は当たり前じゃない!こんな場合は医療機関を受診しよう

生理は毎月あるもので、その都度痛みに耐えるのが当たり前だと思っている方は、いませんか?また「私は、生理痛が重い体質だから…」と、毎月諦めてはいませんか?

でも、ちょっと待ってください!

生理痛で、日常生活に支障をきたすような状態は、医療機関を受診した方が良い状態なのです。あなたは、こんな状態ではありませんか?

  • 毎回、痛み止めを飲まなければ、生理痛を我慢できない
  • 生理痛で動くことができず、学校や仕事を休むことがある
  • 強い痛みにより、食欲が無くなったり、吐き戻してしまうことが多々ある

これらの症状が見られたりこれ以外でも普段の生活が出来ないような状態であれば、医療機関を受診した方が良いでしょう。

ちなみに、私の友人は生理痛が酷いあまり公衆で倒れ、救急車で運ばれた経験があります。倒れた時に、頭を打つなどの他のケガの原因にもなってしまいますね。

生理痛は何科を受診する?婦人科や産婦人科、クリニックでもOK

生理痛で何科を受診するか、迷われる方もいるかと思います。生理痛は、婦人科を受診しましょう。

婦人科は大抵、産婦人科と一緒になっていることが多いので、近くの産婦人科を探してみるのも一つの手です。また、レディースクリニックやウィンメンズクリニックなどでもOKですよ。

最近ではインターネットなどで女性医師が診察しているのかなども調べることができるので、参考にすると良いですね。

診察内容や受診の際の注意点

生理痛の診察は、下記の手順で行われます。

【 生理痛の診察内容 】

  1. 問診
  2. 触診
  3. 内診
  4. 検査(血液検査や画像検査など)

問診では、以下のようなことが聞かれます。

  • 初潮の時期
  • 痛みの程度
  • 痛みが始まった時期
  • 痛みの続く期間
  • 生理周期
  • 生理の日数
  • 出産や妊娠の有無

これ以外にも、場合によっては性行為の有無やアレルギー、家族の病歴なども聞かれることがあります。生理や痛みに関することを整理してメモしておくと問診の際にスムーズです。

また、触診や内診、検査は行われない場合もあります。

触診や内診では、腹部を出したり内診台に乗ったりしなければならないことがあるため、脱ぎ着しやすい恰好がオススメです。ゆったりとしたスカートや、ウエスト部分がゴムになっているズボンなど良いでしょう。

また、受診の際にはお化粧は薄めにしていきましょう。顔色なども、診察する際重要な判断材料になるのです。

生理中でも、痛みが酷い場合には医療機関を受診するようにしましょう。

生理痛の治療は主にお薬。合ったものを処方してくれる

生理痛の治療は、主に服薬、生活改善アドバイス、ホルモン剤投与があります。

服薬には、痛み止めの他、低用量ピルや漢方が処方されることが多く、どれも医師の診察により患者さんの症状に合った物が処方されます。

生理痛の治療の定番といえば「低用量ピル」

低用量ピルは、多くの医療機関で処方されている物です。低用量ピルは、一時的に排卵をストップさせるので、痛みの原因であるプロスタグランジンの放出を抑えることが出来ます。

また、低用量ピルを服用すると、痛みが少なくなるだけでなく経血量が少なくなったり、生理前のイライラした気持ちを抑えるなどの効果もあるのです。

しかし、低用量ピルは毎日飲み続けなければならず、それを手間だと考える人も少なくないようです。

また、低用量ピルには副作用が出る場合があります。ピルを飲み始めると、軽い吐き気や下痢、倦怠感などの不快な症状を感じることがあります。

これは、低用量ピルにはホルモンが含まれているためです。このホルモンの影響により、妊娠した際に起こるつわりのような症状が起こる場合があるのです。

しかし、この症状は、飲み続けていると身体がホルモンの影響に慣れて、症状が治まることが多いと言われています。

また、低用量ピルを服用していると妊娠することはありません。もし、妊娠を望んでいる場合は、医師に相談し服用を中止しましょう。早い人だと1ヶ月程度で排卵を開始できるので、妊娠できる状態にすることが出来ます。

医療機関で処方される痛み止め

生理痛で市販の痛み止めを服用するのと同様に、医療機関でも痛みを感じたら服用するように痛み止めを処方されることがあります。

この痛み止めは、市販されている痛み止めと同様の成分が含まれている場合がありますが、内容量など異なるため、市販薬より痛みが抑えられることが多いようです。

生理痛に漢方は効くの?医療機関で処方される漢方の効果

漢方は、生薬と言われ、身体に優しく副作用が起こりにくいという特徴があります。また、痛み止めやピルなどと異なり、体質改善に働きかける物が多いことが特徴です。

生理痛で処方される漢方の主な働きは、身体の血のめぐりを良くしたり、体内の水分や老廃物を排出しやすい体質にするなどです。

しかし、漢方は身体に優しいという一方、効き目が表れるのが遅い場合があるというデメリットもあります。また、漢方の扱いに積極的な医師とそうでない医師がいるため、受診する医療機関によっては、漢方を処方されないということもあります。

生活改善の指導を受けるかも

女性の身体はデリケートで、ストレスや生活環境の変化などで、ホルモンバランスが乱れて生理に影響してしまいます。

そのため、医療機関では生活改善を指導されることもあるのです。

  • 無理なダイエットを避ける
  • ストレスを溜めない
  • 禁煙する
  • 身体を冷やさない

現在の生活習慣から、これらのことをアドバイスする医療機関もあります。

女性に優しい治療法。生理痛に寄り添ってくれる医療機関を探そう

生理痛は、毎月あり女性にとっては非常にストレスの溜まるものですね。そのため、できれば治療は身体に優しい治療を行っていきたいと考えている人も多いかと思います。

生理痛専門外来もある

産婦人科や婦人科でも、生理痛の治療は行ってくれますが、妊娠しているわけでもないし、ちょっと受診しにくいと思っている方もいるでしょう。

しかし、医療機関のなかには生理痛専門外来がある婦人科もあるのです!

生理痛専門外来では、生理痛に関するカウンセリングを行ってくれたり、女性医師による診察をしてくれたりします。

また、内診することに抵抗がある場合などは、相談して服薬などで様子を見ながら生理痛改善を目指すなど、医師と相談しながら治療を進めていくこともできます。

ただ、残念なのが、こういった生理痛専門外来は、東京や大阪などの大都市に集中していることです。インターネットなど利用すると、近くの生理痛専門外来を検索することもできるので、利用してみても良いですね。

生理痛が酷くなる病気

生理痛が酷くなる病気はいくつかあります。それらの症状や原因などをご紹介します。

月経困難症

月経困難症は、プロスタグランジンという物質が原因です。このプロスタグランジンは、子宮内膜から出る物質で、筋肉を収縮させる働きがあります。

そのため、子宮を過剰収縮させて痛みが生じるのです。頭痛や吐き気が起こるのも、この収縮が強く起こるためです。

この月経困難症は、検査ではなく自覚症状の強さで判断されます。

子宮内膜症

子宮内膜症とは、本来子宮の内側に出来る子宮内膜が、卵巣やお腹の中にできてしまう病気です。生理の時以外でも、腹痛が起こる場合もあります。

また、この子宮内膜症を放っておくと不妊症の原因になってしまったりするので、早期に治療した方が良い病気です。

子宮筋腫

子宮の内側や、筋肉の中、外側に良性の腫瘍が出来る病気です。激しい生理痛や経血の増加の他に、生理以外の出血や頻尿、腰痛などの症状が表れる場合があります。

超音波検査で、子宮筋腫であるかどうか判断できます。

子宮筋腫がなぜできてしまうかは、未だはっきりとは解明されていません。しかし、初経が来る前や閉経後には、子宮筋腫は発生しないので、生理と深い関係があると言われています。

子宮筋腫の大きさや、年齢、出産の希望の有無など様々なことを考慮して、手術で子宮筋腫を取る場合もあります。

子宮の奇形

子宮奇形とは、通常の子宮の形と異なる子宮のことを言います。

一般的に、子宮に子宮内腔という赤ちゃんの育つ部屋のような場所があるのですが、それが2つに分かれていたり、少し変わった形をしている場合があります。これを、子宮奇形と言います。

例えば、子宮内腔が2つに分かれていたりすると、生理の際にそれぞれの子宮内腔から経血が出てくるので、経血量が多かったり、生理痛が重くなるなどのケースも出てくるのです。

一概に子宮奇形だから、生理痛が重くなるということではありませんが、子宮の形によっては生理痛が重くなったりするのです。

子宮奇形は、手術したりする場合もありますが、妊娠や出産に問題ない場合もあるので、医師と相談する必要のある病気です。

女性に優しい治療法の第1歩は自分に合った医療機関を見つけること!

生理痛は、我慢するものではありません。しかし、多くの女性が「生理痛はあって仕方ないもの」だと勘違いしているのです。そして、残念ながら、場合によっては治療するはずの医師さえも、そう考えていることもあるのです。

生理痛は、人それぞれ原因が異なるため、生活改善のみで生理痛が和らぐ人もいれば、ピルを飲むことで改善する人もいます。

信頼できる医師と、自分に合った治療をしてくれる医療機関を見つけることが、女性に優しい生理痛の治療を行う第1歩なのです。

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