生理痛で受診したときに病院で処方される薬の種類と効果

生理中に襲ってくる数々の面倒事の中でも、最も分かりやすく有名なものが痛みを伴う症状です。

そして、日常生活に支障をきたす程に重度の生理痛が襲ってくるタイプの女性にとって、最終手段であり救いの一つが「薬」です。

最近では薬も豊富になり、薬局に行けば棚にずらりと市販薬が並んでいます。

しかしそんな種類豊富な薬よりも、重度の生理痛に苦しむ人にとって最も安心できる薬は、やはり病院で処方される薬です。

ここではそんな、生理痛に苦しむ女性にとって救いとなる、病院で処方される生理痛の薬について紹介します。

医師はなにで処方薬を判断しているの?受診時にはメモがあるとグッド

医師が処方する薬を選ぶ上で目安とすることが多いのは、

  • 患者の生理周期
  • 実際の症状

のふたつです。病院や医師によっては、基礎体温表や生理の時にある出血の状態から、おりものについて聞くこともあります。

そのため病院へ受診に行くときは、「思いつく限り自分の状態を記したメモ」があると便利です。

他にも持病がある人や、サプリを愛飲している人は、覚えていたらそれについてメモしておきましょう。

女性にとって生理は本人が思うよりもデリケートな問題です。素人目線でこの情報はいらないと判断せず、もしかしたらと思いつけることを一通りメモしておくと、後々の診察をスムーズに終わらせることができます。

これらの情報や診察により、生理に関することで病院に診察を受けた場合、医師より処方される薬は主に三種類です。

現れている症状や状況により、処方する薬を医師が選んだり、患者自身に薬の有無を委ねる医師もいます。

では処方される三種類の薬とは、どのような薬なのでしょうか。

処方される薬の種類1:痛みを鎮めてくれる「鎮痛剤」

重度の生理痛による激しい痛みを抑える手段として処方されるのが、主に痛み止めとして名高い鎮痛剤です。痛みに動けない時に、動ける程度に痛みを和らげて動けるようにしてくれます。

市販の薬で生理痛に対する鎮痛効果を表記しているものも多いので、一度はお世話になった人も多いのではないでしょうか?手に入りやすいこともあり、手軽に購入している人もいるでしょう。

では、そんな手に入れられやすい市販の薬に対して、わざわざ面倒な病院に行って処方してもらう鎮痛剤を求める理由とはなんでしょうか。

市販の薬に対して処方される薬が持っている強みの一つとして、はっきりとわかる薬効成分の強弱があります。

  • 強い効果を発揮する代わりに、身体に負担や副作用を与える可能性のあるもの
  • 軽度の効果を発揮する代わりに、身体へかかる負担が少ないもの
  • 即効性のあるもの
  • じわじわ効くもの

などがあります。

病院で処方される鎮痛剤と一言で言っても、効果に明確な違いがあり、それを医師や薬剤師は理解した上で提案してくれます。

そのため、病院で鎮痛剤が処方される場合、患者の生理痛の重さにより、この薬効成分の強弱を選択してくれます。

また副作用に該当しない患者であるかを判断してくれるので、あまりにも痛みが酷いならば処方される薬を頼るといいでしょう。

生理痛には市販の鎮痛剤が効きにくい?

生理痛とは、生理に影響されて引き起こっている痛みです。そのため市販の薬の中にある鎮痛剤では、それほど効果がない場合があります。

もし市販の鎮痛剤を使うことを選択した時は、

  • 使用可能な年齢に達しているか
  • その効果の中に生理痛の表記があるか

を必ず確認してください。

また、市販の鎮痛剤だけではなく、処方された鎮痛剤も効果がない場合は、ただの生理痛ではない可能性が出てきます。

もしかしたら大きな病気が身体に隠れているかもしれませんので、効果がないと分かった時は早く病院へ行き、再診察を受けてください。

そして最も重要なことですが、よく考えてほしいことがあります。そもそも鎮痛剤がないと動けないほど生理痛が酷い場合は、重大な病気が隠れている可能性が高いということです。

ある日倒れて緊急搬送されたり、緊急手術にならないためにも、動けない程に重い生理痛が周期と共に襲ってくる人は、一先ず病院に行くことをおすすめします。

処方される薬の種類2:根本的な部分を整えてくれる「女性ホルモン薬」

生理痛とは、そもそも女性ホルモンの働きが乱れること起こる体調不良の一つです。そのため鎮痛剤にそれほど効果がない場合でも、この女性ホルモン薬を継続して飲んだことで痛みが和らいだという事例もあります。

また慢性頭痛を持つ人がいたとして、それが生理に由来する頭痛なのかを判断するために女性ホルモン薬を処方され、どちらが原因の頭痛だったのかを知る手段とされることもあります。

さらに生理痛だけではなく、慢性的な生理不順の人に処方されることが多い薬でもあります。

この女性ホルモン薬を処方された結果、正しい生理周期に戻った患者も多いのです。

つまり女性ホルモン薬とは、ホルモンに関することを一手に担う薬でもあるのです。

そもそも「女性ホルモン薬」とは「低用量ピル」のこと

女性ホルモン薬と言ってもピンとこない人でも、「ピル」と言えば分かる人はいるのではないでしょうか?避妊効果が有名なピルですが、実は避妊薬というより生理に関する症状に悩む人に対する、ありがたい薬という意味合いが強いものです。

世界各国の中でも、日本は特にピルは避妊するためだけの薬だと、男女ともに誤解している人が多い国ではないでしょうか?

さらにピルの中にも種類があります。女性ホルモン薬であるピルは、その薬に含まれているホルモン量から三つに分かれています。

  • 高用量ピル
  • 中用量ピル
  • 低用量ピル

この中で、一般的に女性ホルモン薬として用いられるのは「低用量ピル」です。

生理周期を止めるのではなく、正常にすることを目的として処方されることが多く、ピルの中でも副作用が弱い薬となります。

しかし誰でも使える薬というわけではありません。ピルには副作用があることから、特定条件に該当する人には絶対に処方されない薬です。

  • 肥満
  • 妊娠中
  • 血栓症を患ったことがある、もしくは家族にいたことがある
  • 慢性的な偏頭痛を持っている

上記に記した条件の他にも、細々とした条件があります。

また医師の判断に委ねられますので、自分は肥満だと思っていても、医師からすると大丈夫、ということもあります。

ピルには他にも、服用中の注意事項やガイドラインがはっきりと存在します。用法容量を守ってしっかりと飲まなければならないのがピルであり、ひいては女性ホルモン薬なのです。

ちなみに即効性はありません。生理周期の影響もあり、一般的には最低でも三か月は継続して飲まなければなりません。

きっちり三か月間飲み続けて、薬の効果があるのか、効果がないのか、ちょっと改善したのかという結果を、本人と医師が判断できるようになります。この結果によりさらに継続して飲むのか、やめるのかを決定します。

何度も言いますが、最低でも三か月です。個人差が強い生理周期のため、半年飲み続けてやっと判断できたという患者も多いのです。

処方される薬の種類3:体質改善をしてくれる「漢方薬」

生理痛により処方される薬の中には、実は漢方薬も数えられています。個人差や症状を体質から、症状を改善したり痛みを緩和する手段の一つです。

ただし漢方薬は選び方が難しく、鎮痛剤や女性ホルモン薬よりも対応する症状が極度に狭くなります。

身体の症状や身体的な特徴を踏まえたうえで、専門家が患者の身体に合う漢方を選んで処方されます。

また体質改善のために即効性がなく、服用期間も長くなります。平均して約一か月から三か月ほどかけて、気長に取り組むことになります。

生理痛に関係する代表的な漢方薬として、下記のものがあります。

「加味逍遥散」(かみしょうようさん) 生理前の胸や脇が張る症状
「佳枝茯苓丸」(けいしぶくりょうがん) 冷え・のぼせ・肩や首がこる症状
「十全大補湯」(じゅうぜんだいほとう) 貧血気味・疲労しやすい症状
「附子人参湯」(ぶしにんじんとう) 下腹部の冷え・関節痛・むくみの症状

代表的な漢方薬ですが、数多くある漢方薬のほんの一角です。これらを含めて大量に存在する漢方薬から厳選されるので、症状によっては途中で処方される漢方薬が変更されることもあります。

専門家が与えてくれるから安心できる!月経困難症を乗り切るための薬

重度の生理痛のため日常生活が困難になり、生活習慣にまで影響を与える状態のことを、月経困難症と言います。つまり病院に行くことに躊躇う必要などないぐらい、立派な病気です。

患者の中には生理痛で診察し、その結果として子宮内膜症や子宮筋腫など子宮に関する病気が発見され、長期療養や手術になる人もいます。また、重度の生理痛を周期的に繰り返し、その痛みに耐え続けた結果、別の病気になってしまう事例もあります。

生理痛が理由で病院に診察に行った結果、薬を処方されるだけで済めば御の字です。

薬は生理痛の痛みに苦しむ人にとっての救済処置であり、必要な手段の一つです。

その中でも病院で処方される薬は、専門家に見てもらったという安心感も与えてくれる一石二鳥のアイテムです。自分の身体の為にも、生理痛を和らげる一つの手段として考えてみてくださいね。

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