バファリンの効果と副作用。ホントに生理痛に早く効いて胃に優しいの?

痛み止めといえば「頭痛にバファリン」のCMでおなじみの「BUFFERIN(バファリン)」が頭に浮かぶ人も多いのではないでしょうか。

バファリンは、1948年にアメリカで生まれ60年以上も愛され続けているロングセラー。さまざまなバファリンが登場している現在、幅広い世代に支持されている薬です。

バファリンは頭痛だけでなく生理痛にもおすすめの薬です。バファリンの特徴、気になる副作用、選び方についてチェックしてみましょう。

バファリンってどんな薬?特徴・有効成分を解説

ライオン「バファリン」シリーズの中で生理痛におすすめの製品は、スタンダードな「バファリンA」をはじめ、計5つ。幅広いラインナップが魅力です。

▼バファリンシリーズ
バファリンシリーズ商品イメージ

  • バファリンA
  • バファリンプレミアム
  • バファリンルナi
  • バファリンルナJ
  • バファリンEX

バファリンという名前は「バッファー(=緩和)」と「アスピリン」を組み合わせた造語。

バファリンが胃に負担のかかりやすい従来の解熱鎮痛剤よりも胃にやさしい薬だということをアピールしています。

もともと、バファリンの主成分はアスピリン(アセルサリチル酸)でしたが、さまざまな症状やニーズに合わせ、それぞれ異なる有効成分を組み合わせて作られた製品が次々と登場しています。

バファリンの特徴

「バファリン」シリーズには次に挙げる特徴があります。

  • アセチルサリチル酸・イブプロフェンなどの解熱鎮痛成分、補助成分によって、すぐれた効き目を発揮する
  • 胃にやさしい処方で、解熱鎮静分の刺激から胃を守る
  • 速く溶ける製法で、痛みを速くしずめる
  • ラインナップが幅広く、女性や15歳以下向けの製品がある

バファリンシリーズの解熱鎮痛薬

製品名 1回分のコスト 特徴
バファリンA 52~80円 眠くならない
アスピリン配合
緩衝成分が胃を保護
バファリンEX 60円 鎮痛作用が高い
胃を保護する成分を配合
バファリンルナi 46~65円 鎮痛作用が高い
胃を保護する成分を配合
バファリンルナJ 58~174円 眠くならない
胃を保護する成分を配合
バファリンプレミアム 79~98円 眠くならない
胃を保護する成分を配合

※バファリンシリーズには、このほかに「小児用バファリンCII」「バファリンかぜEX」「バファリンジュニアかぜ薬」などがあります。

バファリンの解熱鎮痛成分の種類・特徴・副作用

現在、バファリンシリーズに配合されている解熱鎮痛剤は次の4つです。ほかのメーカーに比べると、解熱鎮静分の種類が多い印象が強いです。

成分名 特徴
アセチルサリチル酸 代表的な解熱鎮痛薬
胃を荒らしやすい
速く溶け、よく効く
ロキソプロフェン 抗炎症・解熱・鎮痛作用にすぐれている
胃を荒らしやすい
イブプロフェン 抗炎症・解熱・鎮痛作用のバランスが良い
アセチルサリチル酸やロキソニンよりも体にやさしい
胃を荒らすことがある
アセトアミノフェン 中枢神経にはたらき発熱・痛みをしずめる
効き目はおだやかで小児も服用できる
胃を荒らさない

アセチルサリチル酸、ロキソプロフェン、イブプロフェンは、抗炎症・解熱・鎮痛作用にすぐれた、代表的な非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)で、「プロスタグランジン」という物質の過剰なはたらきをおさえ、効果的に痛みをしずめます。

NSAIDの多くは、胃の粘膜を保護する機能を低下させる作用を持つため、解熱鎮痛薬を服用すると副作用で胃が荒れて吐き気や腹痛の起こることがあります。

特にアセチルサリチル酸(アスピリン)は胃を刺激しやすいことでよく知られていて、胃を保護する成分を配合することが多くなっています。また、ロキソプロフェンやイブプロフェンも胃に負担をかけることがあります。

一方、アセトアミノフェンはこれらの成分とはたらき方が少し異なるため、胃を荒らす心配はありません。小児用の解熱薬にも使われるおだやかな成分です。

バファリンはこれらの解熱鎮痛成分や有効成分を製品ごとに組み合わせて使い分け、よりよく効き体にやさしい薬を提供しています。

そのほかの有効成分はどんなもの?早く効きながら胃が荒れるのを防ぐ効果が強み

バファリンシリーズの製品に配合されている有効成分には次に挙げる3つがあります。

成分名 効能
合成ヒドロタルサイト
(ダイバッファーHT)
胃酸を中和させ、アセチルサリチル酸を
速く溶かして胃粘膜を保護する
乾燥水酸化アルミニウムゲル ロキソプロフェンより先に溶けて
胃粘膜を保護する
無水カフェイン
アリルイソプロピルアセチル尿素
解熱鎮痛成分の効果を高める

バファリンは、胃粘膜を保護する独自の製法によって早く効きながら胃が荒れるのを防ぐ効果の高いところが特徴です。

続いて、各製品の特徴と選ぶ時のポイントを説明していきます。

バファリンのスタンダードな薬「バファリンA」

バファリンAは、さまざまな痛みに対応してくれるスタンダードな解熱鎮痛薬です。

▼バファリンA
バファリンA商品イメージ

▼バファリンAの基本情報

成分 / 成分量 アセチルサリチル酸(アスピリン)330mg
合成ヒドロタルサイト(ダイバッファーHT) 100mg
1回量 / 服用回数 1回2錠 / 1日2回まで
年齢 成人(15歳以上)
包装・価格(税抜) 10錠400円 / 20錠650円 /
40錠1,160円 / 60錠1,620円 / 80錠2,070円

バファリンAには、次の4つの特長があります。

  1. 速く溶けて痛みによく効く
  2. ダイバッファーHT配合で胃にやさしい
  3. 眠くならない
  4. 小型のコーティング剤で飲みやすい

バファリンの解熱鎮痛薬の中で、唯一アセチルサリチル酸を使っている製品です。処方はシンプルですが、アセチルサリチル酸は痛い所にはたらきかけてプロスタグランジンの働きを抑えるので、早くよく効きます。

アセチルサリチル酸は胃酸に溶けにく胃に残りやすいため、胃を荒らす心配のある成分です。しかし、緩衝成分のダイバッファーHTが胃酸を中和してアセチルサリチル酸を溶けやすくしているので、胃を保護しながら速く痛みをしずめることができます。

また眠くなる成分が配合されていないので、眠くなるのが困るときにも安心して使えます。

バファリンAはこんな人におすすめ
  • アスピリンを使いたいけど胃の荒れが気になる人
  • 眠くなるのが困る人

ただ、胃の弱い人が服用したり、続けて服用したりすると胃が荒れることがあるので、胃の荒れが気になる人はアスピリンを配合していないほかのバファリンの使用をおすすめします。

市販薬の最強成分ロキソプロフェンが頼もしい「バファリンEX」

バファリンEXは、ロキソプロフェン(ロキソプロフェンナトリウム水和物)を病院で処方されている薬と同じ量配合した、効き目の確かな薬です。

ロキソプロフェンは、OTC医薬品に配合される消炎鎮痛剤の中でもっとも作用の強い成分。同じ系統の市販薬には第一三共ヘルスケアの「ロキソニンS」があります。

▼バファリンEX
バファリンEX商品イメージ

▼バファリンEXの基本情報

成分 / 成分量 ロキソプロフェンナトリウム水和物 68.1mg
(無水物として60mg)
乾燥水酸化アルミニウムゲル 120mg
1回量 / 服用回数 1回1錠 / 1日2回
(最大3回まで)
年齢 成人(15歳以上)
包装・価格(税抜) 10錠598円

バファリンEXには、次の5つの特長があります。

  1. 「ダブルアクション2層錠」で胃を保護しながら速く効く
  2. ロキソプロフェン配合でたしかな効き目
  3. 1回1錠、小型の錠剤で飲みやすい
  4. 胃粘膜を保護する乾燥水酸化アルミニウムゲル配合
  5. 眠くならない

白とピンクの2層になった「ダブルアクション2層錠」で、乾燥水酸化アルミニウムゲルとロキソプロフェンが時間差で別々に溶け、胃酸を中和して胃の荒れを防ぎながらロキソプロフェンの効き目をより速くします。

また、眠くなる成分は配合されていないので、眠くなるのが困るときにも安心して使えます。

バファリンEXはこんな人におすすめ
  • よく効いて胃にやさしい薬を使いたい人
  • 眠くなるのが困る人
  • 家族で使えてさまざまな痛みに効く薬を選びたい人

バファリンEXは、バファリンシリーズの中で唯一、第1類医薬品に分類されている製品です。

第1類医薬品は、薬効が高い分副作用のリスクも高めになっているので、薬剤師から情報提供を受けたたうえで購入する必要があります。薬剤師または登録販売者のいる薬局・ドラッグストアでお買い求めください。

人によっては胃が荒れることもあるので、胃の弱い人は注意が必要です。

生理痛には女性の痛みに向き合った「バファリンルナi」を

バファリンルナi(アイ)は、2012年から発売されている女性向けの薬です。忙しい女性が生理中も快適に過ごせるよう、すぐに効く処方になっています。

▼バファリンルナi
バファリンルナi商品イメージ

▼バファリンルナiの基本情報

成分 / 成分量 イブプロフェン…130mg
アセトアミノフェン…130mg
無水カフェイン…80mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル…70mg
1回量 / 服用回数 1回2錠 / 1日3回まで
(症状があらわれた時は1日3回まで)
年齢 成人(15歳以上)
包装・価格(税抜) 20錠650円 / 40錠1,080円 / 60錠1,380円

バファリンルナiには、次の5つの特長があります。

  1. ダブル処方ですぐれた効き目を発揮
  2. 鎮痛効果を助ける無水カフェインを配合
  3. 乾燥水酸化アルミニウムゲルが胃を保護
  4. 「クイックメルト製法」でイブプロフェンが早く溶ける
  5. 眠くならない
  6. 小粒で飲みやすい

プロスタグランジンのはたらきをおさえるイブプロフェンと中枢神経にはたらくアセトアミノフェンのダブルの力、さらに補助成分の無水カフェインを配合したバファリン独自の処方で、すぐれた効き目をもたらします。

また、イブプロフェンを細かく粉砕して溶けやすくした「クイックメルト製法」を採用しているので、痛みをすばやくしずめる効果も期待できます。

胃粘膜を保護する乾燥水酸化アルミニウムゲルも配合され、胃にやさしい処方になっています。眠くなる成分は配合されていないところがうれしいですね。

バファリンルナiはこんな人におすすめ
  • 生理痛を1秒でも速く止めたい人
  • 仕事や授業中にも眠くならずに使える薬が欲しい人
  • 胃にやさしい薬を使いたい人

仕事にプライベートに忙しい女性には、女性のことを考えて作られているバファリンルナiがおすすめです。求めやすい価格ですし、デスクの引き出しにも常備しておくと安心。

小・中・高校生も飲めて眠くならない「バファリンルナJ」

バファリンルナJ(ジェイ)は、2012年から発売されているジュニア向けの薬。「J」は(女子=joshi)の頭文字、ピンク色のパッケージで、女の子の頭痛・生理痛に使いやすい製品となっています。

▼バファリンルナJ
バファリンルナJ商品イメージ

▼バファリンルナJの基本情報

成分 / 成分量 アセトアミノフェン 100mg
1回量 / 服用回数 7才以上11才未満… 1錠
11才以上15才未満…2錠
15才以上 … 3錠
1日3回まで
年齢 7歳以上
包装・価格(税抜) 12錠700円

バファリンルナJには、次の5つの特長があります。

  1. 7歳から服用できる
  2. いつでも水なしで噛んで飲めるチュアブルタイプ
  3. フルーツ味で薬の苦みが気にならない
  4. 胃の中で速く溶け、痛みを速くしずめる
  5. 眠くならない
  6. 用法・用量を掲載したPTPシートで、お子さんが自分で薬を管理しやすい

配合されているのは、小児用の解熱剤に使われるアセトアミノフェンだけなので、胃にやさしく眠くなりません。小・中・高校生でも飲みやすく、学校や部活のときも痛みを我慢せずに快適に過ごせます。

バファリンJはこんな人におすすめ
  • 7~15歳のお子さんの痛み・発熱に
  • 薬を飲むのが苦手
  • 生理痛や頭痛があるときは学校がゆううつな女の子

副作用の心配は少ない薬ですが、空腹時に飲むと胃に負担のかかる場合があるので、なるべく空腹時をさけたり水と一緒に飲んだりすることがすすめられています。

ちなみに、15歳以下のお子さんに成人用(15歳以上)の解熱鎮痛剤を少量でも服用させることはできません。成人用の薬には子どもに使うことがすすめられない成分が配合されている場合があり、危険なためです。

中学生以下のお子さんには、アセトアミノフェン単一製剤の解熱鎮痛剤を使いましょう。15歳以上の女の子にはバファリンルナiもおすすめです。

バファリンの最上位!すぐれた効き目の「バファリンプレミアム」

バファリンプレミアムは、2014年から発売されている、バファリンシリーズ最上位の薬です。

▼バファリンプレミアム
バファリンプレミアム商品イメージ

▼バファリンプレミアムの基本情報

成分 / 成分量 イブプロフェン 130mg
アセトアミノフェン 130mg
無水カフェイン 80mg
アリルイソプロピルアセチル尿素 60mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル 70mg
1回量 / 服用回数 1回2錠 / 1日3回まで
年齢 成人(15歳以上)
包装・価格(税抜) 20錠980円 / 40錠1,580円

バファリンプレミアムには、次の5つの特長があります。

  1. イブプロフェンを速く溶かす「クイックアタック錠」を採用
  2. ダブル処方ですぐれた効き目を発揮
  3. アセトアミノフェンと乾燥水酸化アルミニウムゲルが胃粘膜を保護
  4. 無水カフェインとアリルイソプロピルアセチル尿素が鎮痛作用を高める
  5. 小型の錠剤で飲みやすい

イブプロフェンとアセトアミノフェンのダブル処方に鎮痛補助成分をプラス、錠剤を素早く崩壊させイブプロフェンを速く溶かす製法を採用するなどの「プレムアム処方」で、早くすぐれた効き目をあらわします。

バファリンプレミアムはこんな人におすすめ
  • 1秒でも速くつらい痛みを止めたい人
  • 胃にやさしく効き目が確かな薬を探している人

プレミアムな効き目がうれしい製品なのですが、今回紹介する解熱鎮痛薬の中で唯一、鎮静成分のアリルイソプロピルアセチル尿素が配合されているので、副作用の眠気には注意が必要です。

車や機械類を運転する前は服用しないでください。また、酔い止め薬との併用もできません。

眠くなるのが困る人は、同じダブル処方でアリルイソプロピルアセチル尿素を配合していないバファリンルナiをおすすめします。

生理痛・頭痛には女性にやさしいバファリンルナiがおすすめ

かつて、バファリンは「アスピリン=胃が荒れる」というイメージが持たれやすい薬でした。

現在は胃にやさしい処方に力を入れたり、アスピリンに替わってイブプロフェンやアセトアミノフェンを使った独自の処方を採用するなど「胃にやさしくよく薬」に変わりつつあります。

ただ、アセチルサリチル酸とロキソプロフェンは胃に負担がかかりやすいので、胃の弱い人は薬局で薬剤師に相談したうえで自分に合ったバファリンを選ぶことをおすすめします。

また、ロキソプロフェンを配合した第1類医薬品の「バファリンEX」は、副作用のリスクが少し高くなっている薬なので、必ず薬剤師の説明や添付されている説明書の指示通りに使用してください。

どの製品も生理痛向きですが、やはりおすすめしたいのは女性のつらい症状に対応した「バファリンルナ」シリーズです。

特に、CM等でも一押しされているバファリンルナiは、速くよく効いて眠くならないので、生理中も快活に過ごしたい現代女性にピッタリだと思います。

解熱鎮痛剤に共通する副作用・使用上の注意に関しては【比較】生理痛に効く市販薬。あなたにはどの解熱鎮痛薬が合う?で、ご確認ください。

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