【婦人科検診】恥をかかないために受診前に知っておきたいこと


乳がん検診や子宮がん検診など、多くの婦人科検診がありますが、あなたは検診を受けていますか?

「検診を受けた方が良いということは分かっているけれど、キッカケも無いし、もう少し年齢を重ねてからで良いんじゃないの?」そう考えている方も、非常に多いのではないでしょうか?

しかし、婦人科検診は若いうちから受けた方が良いものもあるのです。

婦人科検診ではどんな検査を受けるの?具体的な検査内容

婦人科検診とは、子宮がんや乳がんなど女性特有の病気について、検査を行うものです。これらの病気は、誰しもがかかる可能性がある病気です。そのため、女性であれば是非、受けた方が良いのです。

婦人科検診には主に以下のものがあります。

  • 触診
  • マンモグラフィー検査
  • 乳腺超音波検査
  • 子宮体がん検査
  • 子宮頸がん検査
  • 経膣エコー

では、婦人科検診それぞれの検診方法や注意点などご紹介していきます。

婦人科検診で行う触診って?

婦人科検診で行う触診は、主に乳がん検診の際に行うことが多く、乳房にしこりが無いか調べる際に行います。また、乳頭からの分泌物が無いか、皮膚の引きつれ、乳房の窪みの有無など調べます。

乳がんとは、乳房にできるがんですが、女性のみならず男性にもごく稀に、できることがあります。乳がんは、乳房にしこりを感じて発覚することがほとんどです。

しかし、乳房にしこりがあることで、がんを発見できるということは、しこりがかなり大きくなっている可能性があります。そのため医療機関でも、触診のみで初期の乳がんを発見するということは少なく、他の検査と併せて行われることで発見の確率を上げています。

また、乳がん検診において、他の検査を行うことで、触診を行わないという医療機関もあるようです。

乳がんを見つける「マンモグラフィー検査」

マンモグラフィー検査とは、乳がんを発見するために行うX線検査のことです。他にも良性腫瘍や乳腺症なども発見することができます。小さな乳がんも発見することができるため、乳がん発見に非常に有効な検査法です。

この検査は、2枚の板状の物で乳房を挟み、X線撮影を行います。この板で乳房を挟む際、痛みを感じることがあり、マンモグラフィー検査は痛いものだというイメージがあるようです。

しかし、実際にX線で撮影している時間は数秒程です。また、乳房を圧迫している時間も数分なので、もし痛みを感じても長い時間我慢する必要はありません。

また、乳房を挟まずにマンモグラフィー検査を行う機械が、開発されていたりするので、数年後には、この検査の痛みから解放される日も近いかもしれません。

マンモグラフィー検査では、乳がんを発見できると言いましたが、高濃度乳房といって、乳腺が発達している人では乳がんを発見することが困難になります。

日本人には、この高濃度乳房の人が多いと言われているため、マンモグラフィー検査のみで、乳がんを発見することは難しいとも言われています。また、10代から30代の女性も乳腺が発達しており、高濃度乳房の人と同様に、乳がんの発見をしにくいという難点があります。

乳がんのもう一つの検査法「乳腺超音波検査」

乳がんの検査法として、乳腺超音波検査があります。この検査は、超音波を当てて乳がんの発見をする検査方法です。

この検査は、高濃度乳房の人や乳腺が発達している10代から30代の人でも乳がんが発見できる検査方法です。

しかし、検査する人の技術の差が出やすく、また、小さな乳がんを発見しにくいという難点があります。

そのため、マンモグラフィー検査と超音波検査の両方を乳がん検診として受けることが、最も望ましいでしょう。

子宮体がんを発見する「子宮体がん検査」

子宮体がんとは、子宮の赤ちゃんを育てる部分にできたがんのことを言います。子宮内膜にできるので、子宮内膜がんとも呼ばれることがあります。

子宮体がんの初期症状は、不正出血や月経不順などですが、これらの症状は女性にはよくあることなので、なかなか子宮体がんを自覚症状から発見することは困難だと言われています。

子宮体がんの検査は、膣の中に細長い器具を入れて超音波で内部を調べる経膣超音波検査という方法が一般的です。

しかし、子宮体がんができてしまうリスクの高い人というのが存在し、それ以外では子宮体がんの検査は行われないことが多い検査です。

    【 子宮体がんができる高リスクの人 】

  • 40歳以上
  • 出産経験がない
  • 妊娠経験が無い
  • 不正出血が起こりやすい
  • 肥満傾向
  • ホルモン薬を使用している

しかし、これらに当てはまらなくても、子宮体がんになる可能性はゼロでは無いため、不正出血が続いたり、おりものに血が混じる、下腹部痛などの症状があらわれた場合には、医療機関にて検査を行った方が良いでしょう。

若い人でもなり得る病気子宮頸がんを発見するための「子宮頸がん検診」

子宮頸がんとは、赤ちゃんが産まれてくる際の通り道にできるがんで、子宮がんのなかで非常に多いがんです。また、若い人もできる可能性が高いがんの一つです。そのため、厚生労働省では20歳以降の女性の子宮頸がん検診を推奨しています。

検査方法は、ブラシやヘラで子宮頚部の細胞を擦り取ります。この検査では、大きな痛みはありませんが、少量の出血を伴うことがあります。検査自体は、5分程度で終了します。

子宮疾患や卵巣疾患が発見できる「経膣エコー」

経膣エコーは、子宮疾患や卵巣疾患を発見する際に、行う検査方法です。子宮疾患では、子宮がんはもちろん、子宮筋腫やポリープなど発見することが可能です。また、卵巣疾患として卵巣がんや卵巣嚢腫などの発見に役立ちます。

この経膣エコーは、膣に超音波の機械を挿入し、卵巣や子宮の状態を見ます。この検査を行うことで、子宮の形や卵巣の大きさや位置なども分かります。

しかし、超音波を当てられる範囲に限度があるため、腫瘍など見逃してしまう可能性があるという難点があります。また、小さな腫瘍は見にくいということも言われています。

婦人科検診に行く時には、こんなことに注意しよう!

婦人科検診では、膣内に機械を入れるために内診台に上がったり、乳房のX線を撮るためにブラジャーなどの金属が含まれる衣服を脱いだりする必要があります。行う検診ごとの注意点をまとめましたので、参考にしてくださいね。

マンモグラフィー検査
・授乳中や断乳から3ヶ月以内は、受診できないことがある
・上半身に湿布や絆創膏など貼ってある場合は、剥がしておく
・制汗スプレーやパウダーは付けない
・ネックレスなどの装飾品は外しておく
・薄い衣服であれば着ていて良いこともあるため、裸に抵抗がある場合には確認しておく
乳腺超音波検査
・乳房に直接機器を当てるため、脱ぎ着しやすい服装にする
子宮体がん検査
・実際に子宮の細胞を採取する検査やMRI検査、内診など様々な検査法がある
・検査によっては麻酔が必要な場合がある生理中の検査は控える
・検査によっては出血する場合もあるため、ナプキンなど準備する
・前日の性交渉は避ける
子宮頸がん検査
・生理中の検査は控える
・前日の性交渉は避ける
・検査後、出血することもあるため、ナプキンなど準備する
・脱ぎ着しやすい服装にする
経膣エコー
・脱ぎ着しやすい服装にする

この他に医療機関や検査によっては、バスタオルが必要であったりするので、事前に確認しておくようにしましょう。

婦人検査はどのくらいの頻度で受けたらいいの?推奨されている検査頻度まとめ

婦人検査は1度受ければ良いというものではありません。1年前に検査結果に異常が無かったからといって、1年後にもまた、異常が無いとは限らないためです。

以下に勧められている検査頻度をまとめましたので、参考にしてくださいね。

検査 検査頻度
マンモグラフィー検査 年に1回
子宮体がん検診 必要に応じて(年齢など考慮)
子宮頸がん検診 2年に1回

自治体によっては少額で検査できることもあるので要チェック

婦人検診ですが、自治体によっては一定の年齢であれば、少額の検査料金で検査を受けられるよう助成を行っていることもあります。

例えば名古屋市だと、市内に住んでいる40歳以上の女性で、会社などで婦人検診を受診する機会が無い人に対し、乳がん検診の助成を行っています。指定の医療機関であれば、ワンコインで乳がん検診ができます。

また、東京都世田谷区でも20歳以上の偶数年齢の方を対象として、子宮がん検診の助成を行っています。

この他にも、各自治体で行っている婦人検診の助成がありますので、自治体に問い合わせてみたりインターネットなどで調べてみてください。

また、これらの助成の通知は、郵送で送られてくる場合がほとんどなので、その機会を利用して検査してみると良いでしょう。

自分は大丈夫だと思っていないで!婦人検診はとっても大事

検診という言葉を聞くと、若い人や健康な人には関係の無いことのように思ってしまうかもしれません。しかし、検診は健康な人ほど受けた方が良いのです。

早期発見により、早期治療が可能になり、治療の肉体的・精神的・金銭的ダメージが少なくなることもあるのです。

地域で行っている婦人検診の助成なども利用して、積極的に検診を受けるようにしたいですね。

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