生理周期の計算方法。次の生理開始日を予測する数え方


何かあって産婦人科に受診に行くと、よく聞かれるのが自分の生理周期についてです。

生理に個人差があるように、生理周期にも個人差が強く現れます。そのため、それが正常なのか異常なのかを真っ先に把握できるのは、当の本人だけなのです。

そこで今回は、意外と知っているようで知らない生理周期の数え方や、異常の見つけ方などを紹介します。把握して、自分の身体についての理解を深める参考にしてください。

※「生理」は医学的な言葉として「月経」とも表記しますが、ここでは生理周期に合わせる形で「生理」という表記に統一しています。

生理周期の数え方・計算方法

生理周期とは

「生理が始まった日」から、「次の生理が始まる前日」までの日数を数えることで求められる、身体的な生理現象の周期のこと。

生理周期の数え方は簡単です。

  1. 「生理が始まった日」を「一日目」とする
  2. 「次の生理が始まる日の前日」を、「最終日」として数える

そこまでの日数が、一回分の生理周期になります。

例えば・・・

  • 生理が始まった日:6月15日
  • 次の生理が始まった日:7月13日

これで生理周期は「28日」、正常な範囲だということがわかります。

生理周期をみるカレンダー画像

ただし、生理周期などホルモンのバランスによって支えられている生理現象は、すぐに周期を乱してしまいます。

蓄積された肉体的・精神的なストレスや疲労感、日常生活の乱れなど、日常に存在する全てが生理周期を乱す原因になりかねません。

そのため、正確な自分の平均的な生理周期を知るためには、最低でも四回以上の日数を調べてください。その合計日数から平均値を出すと、次の生理がいつ来るかといういい予測となるでしょう。

紛らわしいためよく間違えられることがありますが、次の2つは間違いです。

  • 「生理が終わった日」から数える
  • 経血が続いている日数を生理周期と思う

もちろん、生理期間中の経血日数を把握しておくことは大切なことです。通常よりも経血期間が長かったり短かったりした場合や、血の量が増減する場合は、もしかしたら何らかの異常が身体に起こっていることがあるからです。

しかし生理周期という定義としては、どちらも間違いのため、正しく数えられるようにしっかりを覚えておきましょう。

健康的な女性の生理周期

平均的な正常値の目安となる日数
25日~38日の範囲内
  • これより日数が短い場合は「頻発月経」
  • これより日数が長ければ「稀発月経」
  • 生理不順は「不整周期月経」

と称されます。

25~38日 24日以内 39日以上 あてはまらない(不順)
正常 頻発月経 稀発月経 不整周期月経

ただし、これはあくまでも平均的な目安です。生理にしても生理周期にしても、個人差が強く出るので生理周期の日数が異なる場合は珍しくありません。

基本的には、ほぼ同じ日数で周期的に訪れることが、あなたにとっての正常な生理周期だと考えてください。

逆に言えば、生理周期を数えて日数が安定していないほどバラバラになっている場合は女性特有の病気の可能性も考えられます。妊娠を考えているならば、後々のために不妊治療を考える段階かもしれません。

あまりにも生理周期が不安定ならば、基礎体温を測ることで排卵日を確認したり、産婦人科に受診に行くことも視野に入れましょう。

また、生理周期から導き出した生理の予定日よりも一週間以上も遅れている場合は、誤差ではなく何らかの原因で生理が遅れていることになります。

それがストレスならば原因を解消したり、不規則な生活のせいならば生活リズムを戻したりと、生理が遅れた原因を排除する止めに行動してください。

身体の変化を発見しやすいように、なるべく生理周期を保つように行動してくださいね。

生理周期を計算するアプリもある

いちいち生理周期を数えるのもめんどくさい!という女性のために、近年では数多くの便利アプリやWEBツールが登場しています。

記録蓄積型のアプリならば、生理開始日を入力していくだけで、間の日数が自動的に算出されます。

アプリが面倒に感じる人でも、計算が面倒ならばWEBツールを駆使して、今回と前回の生理開始日を入力することで、日数を割り出す方法もあります。

特におすすめしたいのは、記録を蓄積することで生理周期を計算し、次回の予測を立ててくれるアプリです。

これらのアプリによっては、基礎体温も入力することで次回の生理予測だけではなく、排卵日など身体のサイクルを予想してくれるものもあります。

数えることや考えることが手間に思えたならば、これらの便利アプリを使用してみてくださいね。

生理周期の乱れで予想される病気

生理周期が乱れるということは、生理の訪れが乱れるということです。さらには、正しく生理が訪れているのか、不安になるということでもあります。つまり、いつ生理が訪れるか分からない「生理不順」になるということです。

ここでは生理周期の乱れで予想される、よくある女性特有の病気や症状について簡単に紹介していきます。判断材料の一つにしてください。

黄体機能不全

生理周期が25日未満という短いサイクルを構成してしまう「頻発月経」の場合に考えられる症状です。もちろん25日未満のサイクルだとしても、毎月安定して周期的に生理が来るならば問題はありません。

しかし「黄体機能不全」は、女性ホルモンを構成する「黄体ホルモン(プロゲステロン)」を分泌する「黄体」の働きが弱くなることで、生理周期が短くなる症状です。不妊症や流産の原因ともなるもので、妊娠したい女性にとって天敵ともいえる症状です。

また、黄体ホルモンの分泌量が少ないことで、子宮内膜の維持に支障が出ます。妊娠しづらい身体になるとともに、予想された生理周期とは異なる時に出血してしまう不正出血を引き起こします。

「黄体機能不全」は放置しても身体に問題はありません。しかし後々の妊娠を考えているならば、早急な発見と治療に取り掛かるべきです。

無排卵月経

生理周期が短いということで産婦人科に訪れた女性の多くが、「無排卵月経」と診断されることもある有名な症状です。生理による経血があっても排卵していない状態のことで、排卵障害の一つとも数えられています。

これの厄介な所は、生理が生じるために無排卵だと気づきにくいことです。そのため妊娠したい女性が産婦人科を訪れて診察し、結果として発見されることも少なくありません。

きちんと排卵しているのかを確認するには、基礎体温を付けるといいでしょう。少しでも気になった時は、迷わず基礎体温を測り、排卵日を見つけ出してくださいね。

無月経

生理周期が長い「希発月経」の状態で疑われるのは、卵巣機能の低下による「無月経」です。これは文字通りに、長期にわたって生理が来ない状態のことです。一般的な定義としては、90日以上生理が来ないと無月経だと判断されます。

ストレスや体重の急激な変化、加齢や病気など、考えられる原因は多様に存在します。低下してしまった卵巣機能を、女性ホルモンを摂取することで助けたりと、外部から不足しているホルモン錠で補うことで治療を行う必要があります。

特に無月経の治療の場合は、無月経だった期間の倍以上の日数を治療に費やすといわれています。放置すればするだけ痛いしっぺ返しがくるため、発見したら即治療に取り掛かるといいでしょう。

生理周期を記録して、自分の身体を知ろう

生理周期の変化によって見つかりやすい産婦人科系の病気は、放っておいた期間が長ければ長いほどに治療が困難だと言われています。特に妊娠を考えているならば、しっかりと自分の生理周期を把握しておいた方がいいでしょう。

今ならば生理周期を教えてくれる、便利なアプリやWEBツールも続々と登場しています。蓄積すればするだけ管理が困難な情報も、アプリなどの電子媒体によってすっきり手持ちで管理できるようになりました。

これらを活用することで、自分の生理周期を知りながら、やがて訪れる生理について心構えをしておきましょう。

そして生理周期が不安定ならば、早急に不妊治療に取り掛かりましょう。特に妊娠を考えているならば、早め早めの治療は損になりませんからね。

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